能登半島地震の発生から1日で3カ月を迎えた。3月下旬、震度6強に見舞われた石川県珠洲市に入り、被災地の現状と復興への課題を見た。 

(政経部・高見維吹)

 3月20日、金沢市から車で約3時間をかけ、珠洲市に着いた。気温2度、雨風が吹き荒れ、山陰と似た天候だと感じた。道路は縦横無尽に亀裂が走り、補修も砂を敷き詰めただけでガタガタ。半島の奥に進むほど被害は壊滅的だった。

 隣の敷地や駐車場の乗用車に覆い被さるようにひしゃげた家屋は雨に打たれ、伝った水滴が野ざらしになった家具や布団、思い出が詰まったアルバムを水浸しにしていた。散乱した瓦屋根などのがれきが道をふさぎ、信号や道路案内は傾いたまま使われていた。地震発生時から時間が止まっているようだった。

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