原発事故の際に甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤を島根県が10日から、中国電力島根原発(松江市鹿島町片句)の5キロ圏内に住む40歳未満の市民や妊婦など最大3300人に事前配布する。5~30キロ圏の対象者には9月以降に配る予定という。
安定ヨウ素剤は医薬品で、国や自治体の指示に従って予防的に服用することで、甲状腺がんを引き起こす放射性ヨウ素の蓄積を低減させることができる。
今回の配布対象は、これまで受け取ったことがない人▽転入者▽手元の安定ヨウ素剤の使用期限(5年)が近い人▽ゼリー剤から錠剤に替わる3歳児▽錠剤が2錠に増える13歳の人-。特に希望する人は40歳以上でも受け取れる。
従来は5キロ圏内の全住民に事前配布していたが、40歳以上への投与は有用性が低いとする世界保健機関(WHO)の見解を参考に国が2019年に指針を改正。対象が40歳未満または全年齢の妊婦、授乳中の女性、妊娠を希望する女性に改められた。
事前に受け取ることができなくても、事故時には最初の避難先で配られる。
事前配布の日時と場所は次の通り。
10日午前9時~片句集会所▽10日午前11時~手結集会所▽11日午前9時~恵曇集会所▽17日午前9時~古江公民館▽25日午前9時~生馬公民館▽31日午前9時~鹿島支所▽8月1日午前9時~御津交流館▽8月1日午前11時~マリンゲートしまね▽7日午前9時~鹿島ふれあい館▽25日午後2時~鹿島支所。
(高見維吹)