新井葵来さん 隈取りに挑戦
日本には、海外の人たちに教えたくなるようなクール(かっこいい)な伝統(でんとう)や文化がいっぱい! そんな世界が注目する「クールジャパン」を、小学生向けファッション誌(し)「ニコ☆プチ」モデルが体験して、魅力(みりょく)にせまります。
骨格や筋 オーバーに表現
今回取り上げるのは日本を代表する伝統(でんとう)芸能(げいのう)「歌舞伎(かぶき)」。「ニコ☆プチ」モデル(プチモ)の新井葵来(あらいあいら)さん(12)がユニークな化粧(けしょう)「隈取(くまど)り」に挑戦(ちょうせん)しました。
「歌舞伎ってなんだか難(むずか)しそう。でもメークはやってみたい!」。葵来さんに教えてくれるのは、全国各地で子ども向けの歌舞伎教室を開く立花志十郎(たちばなしじゅうろう)さんです。「隈取りは骨格(こっかく)や筋(すじ)などをかたどったもの。オーバーに表現(ひょうげん)することで遠くの観客にも迫力(はくりょく)が伝わります」
隈取りの色には意味があります。立花さんによると、赤は正義(せいぎ)の味方、青は悪人、茶は鬼(おに)やゆうれいなど人間以外の役です。「登場したら一目でどんな役か分かっちゃうんだ」と驚(おどろ)いた葵来さん。
いよいよ体験です。役者は本来、自分で隈取りをしますが、今回は立花さんにやってもらいました。まず、力士(りきし)などが髪(かみ)を結ぶ時に使うびんつけ油を顔にたっぷりぬります。この時、まゆ毛をなでつけて目立たなくしておきます。次に、白いおしろいを重ねてむらがないようスポンジでおさえます。最後に筆で隈をかいたら完成です。一変した自分の顔に「すごい、だれだ!」と大興奮(だいこうふん)の葵来さんでした。
このまま「見え」にも挑戦。大事な場面で役者が動きをぴたっと止めてポーズをとるもので、見せ場の一つです。いろいろな種類があり、中でも「暫(しばらく)」という演目(えんもく)で見られる元禄(げんろく)見えは、2021年の東京五輪開会式でも日本文化を代表して登場しました。
「こぶしを立てると、大きく立派(りっぱ)に見せられますよ」。立花さんのアドバイスを受けた葵来さんの表情(ひょうじょう)はもはや歌舞伎役者そのものです。体験を終えて「自分じゃないような見た目になれる隈取りに感動しました。絶対(ぜったい)に歌舞伎の舞台(ぶたい)を見に行きたいです」と笑顔(えがお)で話していました。
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あらい・あいら 2011年、神奈川県生まれの中学1年。特技(とくぎ)はバスケと新体操(しんたいそう)。御朱印(ごしゅいん)を集めるのが好きです。
















