書店ゼロ地域となった大田市で、住民有志が市外の本屋を招いたイベント「長久とマルシェ~本屋さんと長久と~」を15日、同市長久町の長久まちづくりセンターで開く。書店ゼロの市町村が全国的な課題として持ち上がる中、関係者は「本に触れてもらう機会になればうれしい」と来場を呼びかける。
大田市では市内で唯一の書店だったジャスト大田店(大田町)が3月末に閉店した。ネット通販や電子書籍の拡大で全国的に書店の閉店が急激に進んでおり、本に触れる機会の確保を求める声が上がっている。
イベントは、長久町で祭りなどを開催するグループ「長久まちづくりクラブ」が企画。小村書店(出雲市平田町)、あわい堂(同市大津町)、句読点(同市今市町)の3店を招き、各店が選んだエッセーや芸術、詩集、絵本、古本などを並べて販売する。クラブのメンバーが今回出店の本屋に立ち寄った際、大田市の書店事情が話題になり、マルシェが実現した。
本屋のほか大田市内で営業する焙煎(ばいせん)コーヒーや焼き菓子、ハンドメードアクセサリーなど5店も出店する。年数回、継続的に開くのが目標で、広報を担当する柿本将人さん(35)は「ないのを悲観するのではなく、できることをして地域を盛り上げたい」と話した。午後1時~4時。
(勝部浩文)