進藤ヒカル役を演じる糸川耀士郎さん(c)ほったゆみ・小畑健/集英社 (c)歌絵巻「ヒカルの碁」製作委員会
進藤ヒカル役を演じる糸川耀士郎さん(c)ほったゆみ・小畑健/集英社 (c)歌絵巻「ヒカルの碁」製作委員会

 松江市出身の俳優糸川耀士郎(ようじろう)さん(31)が、囲碁を題材にした人気漫画が原作の舞台「歌絵巻『ヒカルの碁』序の一手」で、主人公・進藤ヒカル役を務める。上演は5日に東京都内で始まり、「静かなる対局の中にも生じる熱い駆け引き、心の揺れ動きを感じてほしい」と呼びかける。

【インタビュー全文】成長する姿、熱く演じたい 俳優・糸川耀士郎さん、舞台「ヒカルの碁」主演

 糸川さんはもともと歌が好きで、オーディションをきっかけに21歳で美容師から俳優に転身。漫画やアニメの世界を演じる「2・5次元」作品に多く出演し、今春は宮本亞門さん演出のミュージカル「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」の舞台に立った。

「歌絵巻『ヒカルの碁』序の一手」のキービジュアル((c)ほったゆみ・小畑健/集英社 (c)歌絵巻「ヒカルの碁」製作委員会)


 「歌絵巻『ヒカルの碁』序の一手」は、原作ほったゆみさん、漫画小畑健さんによる漫画「ヒカルの碁」が原作。ヒカルが平安の天才棋士・藤原佐為の霊との出会いをきっかけに囲碁の世界へ足を踏み入れ、ライバルの塔矢アキラたちと戦い成長するストーリーだ。

 座って碁盤を挟み対局する静的な囲碁を、舞台でどのように表現するかが注目される。糸川さんは「ミュージカルナンバーがあり、対局で生じる熱い駆け引きや心の揺れ動きを歌という形で表現する。熱い対局ほどわくわくするつくりになっている」と胸を張る。

 稽古でも「歌」の部分に手応えを感じているといい、「ナンバー自体も躍動的で緊張感もあるので、曲が終わると意外に息が上がっていることが多い。この興奮と緊張感を、劇場の客席で感じ手に汗握ってもらえたらうれしい」と語る。

 主人公・ヒカルについては「真っすぐだけど子どもっぽいところも多く、感情はすぐに表に出るし生意気なところもある。それがすごくリアルだなと感じる」と分析。「囲碁の性質上、”動”の動きが出しづらいので、感情やしぐさでヒートアップしている様を出していきたい」と意気込む。

 舞台はサンシャイン劇場(東京都豊島区)で14日まで上演される。糸川さんは「大好きな山陰に恩返しするためにも、作品の主演として責任感を持って頑張りたい」と話した。

 公演概要やチケット情報は舞台の公式サイトへ。

 (吉田真人)

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