水しぶきを上げ、冠水した国道432号を走る車=7日、松江市八雲町東岩坂
水しぶきを上げ、冠水した国道432号を走る車=7日、松江市八雲町東岩坂

 道路が冠水しているときの運転は危険が伴う。高架橋をくぐる道路は通過を迷うことも少なくない。7日から続く大雨では、島根県内で「車が浸水、冠水した」との通報が、日本自動車連盟(JAF)に約20件寄せられた。どの程度なら運転できるか、万が一車から退避が必要になった場合の注意点を、JAF島根支部の安井俊久推進課長(58)に聞いた。

 まずはルートを確認して冠水しそうな場所を避けることが基本だ。その上で冠水した道路を通過できるかどうかの判断基準は、タイヤの下3分の1が漬かるかどうかだ。水深がそれより深いと、浸水でエンジンが止まる可能性が高くなるという。大橋川の水など、汽水が混じる場合はバッテリーがショートする可能性もある。巻き上げる水がエンジンに及ぶのを防ぐため、通行は低速が鉄則だ。

 では、水に漬かり動かなくなった場合はどうすべきか。

 ドアが開かず、閉じ込められた場合は、窓ガラスを割って脱出するのが多くの場合、有効だ。車内外で水圧が同じでないとドアは開かない。カー用品店で購入できるレスキューハンマーの備えがあると良い。ビニール袋に小銭を詰め、たたき割るのも有効とされる。何より「落ち着いて行動するのが大切」だ。

 タイヤ下部3分の1以上が浸水した車は、損傷を防ぐためエンジン始動は厳禁だ。また、電気系統のショートや火災を防ぐため、バッテリーのマイナス端子を外し、テープで覆う絶縁措置を勧める。「エンジン始動の判断に迷う場合は、修理工場やJAFに相談してほしい」と呼び掛けた。 (広木優弥)