「わっしょい」と掛け声を上げ、練り歩く担ぎ手たち=安来市広瀬町広瀬
「わっしょい」と掛け声を上げ、練り歩く担ぎ手たち=安来市広瀬町広瀬

 安来市広瀬町広瀬地区で21日夜、約270年続くとされる伝統の「ひろせ祇園祭」があり、無病息災を願うみこし行列が威勢よく地区内を練り歩いた。

 祭りは、1748年に流行した疫病を鎮めるため、住民が京都から祭神を迎え、地区内の富田八幡宮境内に須賀神社を建てたのを機に始まったとされる。

 みこしはこれまで各自治会がリレーして担いでいたが、少子高齢化で担ぎ手確保が難しくなった。今回は担ぎ手を1カ所に集め、広瀬地区中心部約1キロを行ったり来たりする方式に変更した。

 夜空を彩った1600発の花火の打ち上げが終わった午後8時半、重さ1・3トンのみこしを担ぐ「夜間巡行」が始まり、担ぎ手が「わっしょい」の掛け声を響かせ、夏の夜に熱気を届けた。

 実行委員会の瀧司朗会長(75)は「形を変えながらでも祭りを続けていきたい」と話した。
 
(狩野樹理)