まちから本屋が姿を消している。紙の出版市場の縮小やネット通販の拡大に加え、根本には出版社、取次会社、書店の業界全体としての既存ビジネスモデルが制度疲労を起こしている状況がある。本を身近に買える環境を維持するには、業界が抱える課題の本質を改善する必要がある。(大田支局・勝部浩文)

 「年々右肩下がり。この10年間で雑誌・書籍の売り上げは2~3割減った」

 ブックセンターコスモ出雲店(出雲市渡橋町)の佐々木裕介店舗管理者(44)が危機感を口にする。売り上げの主力は路面店の強みが生きる漫画だ。

 

 雑誌・書籍が売れなくなった理由はさまざまだが、明らかなのは若い人が買い求める姿が減ったことだ。書籍に比べ回転率が良く、経営の要とされた雑誌の売り...