台風10号は30日夕方、島根県に最接近し、断続的に雨が降った。山陰両県で人的被害は出ていない。松江、鳥取両地方気象台によると、31日は島根が昼ごろ、鳥取は夕方まで大雨が続く見込みで、土砂災害に注意を呼びかけている。
両地方気象台によると、30日午後10時20分までの最大時間雨量は松江28・0ミリ、出雲24・5ミリ、大田21・0ミリ、境18・5ミリ、米子16・5ミリなど。
松江市の島根、本庄、持田の3地区計4271世帯9294人、雲南市の塩田、久野、海潮の3地区計794世帯1964人、安来市広瀬町の計2457世帯6112人に高齢者等避難が出た。島根県などによると、30日午後10時40分時点で松江、安来、雲南、益田3市と奥出雲、津和野両町が避難所計31カ所を開設。雲南市、津和野町で3世帯4人が避難している。
30日、島根県は高校など県立学校32校・分教室、市町村立の小中学校、幼稚園計200校・園が臨時休校。鳥取県は公立高校など4校が臨時休業し、公立の小中学校など71校が授業を打ち切った。
JR西日本中国統括本部によると、30日は山陰線、伯備線、木次線などで運休。31日も山陰線と山口線の益田駅以西などで運転を見合わせる。一畑電車も運転を見合わせる可能性がある。

空の便は30日に出雲と福岡、隠岐、静岡、名古屋を結ぶ便の大半、石見と羽田の2往復4便が全便欠航した。31日は福岡-出雲の1便が欠航する。高速バスは31日、松江・出雲発の広島、大阪、岡山便などが全便運休する。
両地方気象台によると、台風が予報円の中心を通った場合の31日午後6時までの24時間雨量は、島根県東、西部100ミリ、隠岐80ミリ、鳥取県内120ミリと予想。31日の陸上の最大風速は島根、鳥取両県ともに12メートルと見込む。
(新藤正春)