最近、生き方を変えるハウツー本やサイト上でよく見かける言葉が「自分軸」と「他人軸」だ。自分がどうしたいかで判断し行動する自分軸に対して、周囲に必要以上に合わせるのが他人軸。協調性を重んじる日本人には後者が多いだろう。
主体性と言い換えられる軸が、自分か他人かの違いは、政治参加にも影響しそうだ。自分の行動で国や政治を変えられると思う若者は、日本は諸外国に比べて圧倒的に低いという調査結果がある。
その根本的な原因が義務教育期間にあると分析するのは、若者の声を政治に反映させる活動を続ける「日本若者協議会」の代表理事・室橋祐貴さん。会がモデルとするスウェーデンは幼稚園の時から、どんな遊具で遊び、おやつに何を食べ、どこへ行くかなど、あらゆることを日々、子どもたちが決める。
翻って日本は校則の変更ですら大人が主導。自分で考えて批判的に物事を見る子どもよりも、規律を重んじ、守る方が良い子とされる。生活の中で意思決定して変えていくという経験や学習の不足が、政治参加の停滞も招いているというのだ。
家庭や学校でお仕着せがまかり通り、甘んじてきたのは身に覚えがある。ならば、家庭から実践したい。子どもたちに「言っても無駄」と思わすなかれ。言われた方はとりあえず協議のテーブルに着く。そんな「台所からの民主主義」が社会を変える一歩になるのかもしれない。(衣)