バスケットボールの3点シュートは豪快なダンクと違い、放たれたボールが描く美しい放物線が魅力の一つだ。1本の成功で試合の流れを変えることができ、量産すれば勝利も近づく。その名手が今月、Bリーグ1部(B1)の島根スサノオマジックに加入した。昨季のリーグ最優秀選手の金丸晃輔選手だ▼日本屈指のシューターは、3点シュートを放つ瞬間に少し伸ばした人さし指と中指の爪をボールに引っ掛けて、「カシャ」と音を鳴らせることにこだわる。昨季の成功率は46・6%でリーグ2位。指先まで力を加えることで、7メートル近く離れた場所から放ったボールが高確率でリングに吸い込まれる▼東京五輪が23日に開幕する。日本の男子バスケは45年ぶりの出場で、金丸選手は激しい代表争いを制した。米プロリーグNBAでプレーする八村塁、渡辺雄太の両選手に加え、「島根の金丸」が強豪相手にどこまで通用するか楽しみだ▼島根は小学生のミニバスケットボール発祥の地とされる。当地でプロチームの創設を目指す動きを取材した12年前、「身近に一流選手がいれば子どもの夢になる。チームの存在を通して島根の認知度を全国区にしたい」と熱っぽく語る関係者の夢に共感した▼10月2日に、代表2選手を擁する昨季B1王者の千葉を迎え撃つリーグ開幕戦が松江市総合体育館である。五輪とともに大型補強後の島根の試合が待ち遠しい。(文)