鳥取県の平井伸治知事は17日、新型コロナウイルスへの感染が県西部で急速に広がったため、米子市内の繁華街にある飲食店やカラオケ店などに対し、改正特別措置法に基づく営業時間短縮要請を検討していることを明らかにした。協力金制度を設ける考えで、22日からの4連休前に最終判断する。感染力が強いデルタ株が猛威を振るい、平井知事は「市中感染のレベルに入り始めていると判断せざるを得ない」と述べ、踏み込んだ対策が必要とした。 (岸本久瑠人)
17日は県内1日当たりで過去最多の29人の感染確認を発表した。26人が西部の米子保健所管内。
県と米子市は26人のうち3人が市職員で、1人が私立米子松蔭高校(米子市二本木)の関係者だと公表した。県高校野球連盟は、同校が米子市で開かれている全国高校野球選手権鳥取大会の出場を辞退したと発表した。17日の試合は不戦敗となった。
また、県はこれまで計9人の感染者が判明した米子市内の酒類提供の飲食店を13例目のクラスター(感染者集団)に認定した。デルタ株のクラスターとして2例目。店舗は16日に休業した。
県は11日以降、デルタ株の疑いがある事例を22件確認しており、県西部を対象に「厳重警戒宣言」「デルタ株感染厳重警戒情報」を発令。不要不急の外出自粛や県外在住者との会食を控えるよう求めた。
営業時間短縮を求める検討のほか、多くの人が集まるイベントは中止検討を求める方針。高校野球鳥取大会は、21日の準々決勝から控え部員と事前登録された生徒応援団以外の入場を禁止する。
また、近く米子市内に臨時のPCR検査センターを設ける。平井知事は「まだ引き返せる」とも述べ一層の感染予防を呼び掛けた。
島根県も17日、鳥取県西部に隣接する安来市内の在住者6人を含む9人の感染を発表した。鳥取、島根両県は連携し、感染が広がる米子市の感染者との関連を調べている。
累計感染者数は鳥取562人、島根576人。