息子にかまれた直後の腕。くっきりと残る歯形には血がにじんでいる
息子にかまれた直後の腕。くっきりと残る歯形には血がにじんでいる
息子にかまれた直後の腕。くっきりと残る歯形には血がにじんでいる

 ギギギギギ…と、力いっぱいかんで引きちぎろうとする。「甘がみ」なんて表現では済まない、本気のかみ方だ。それも、太ももや二の腕の内側といった軟らかい部分を狙って思いきりかみついてくる。当然そこには歯形がくっきり。血がにじむこともある。数日後には、内出血であざになっている。一体なぜこんなにかんでくるのか。

 息子の話である。娘もかみついてくることはあったが、かわいいものだった。やはりこれは男児特有の行動なのか。同じ要領で授乳時も、飽きてきたら不意打ちにギギギ…。「痛い痛い痛い!やめて!」と叫ぶと面白がって余計にかむ。非常にたちが悪い。

 看護師に相談したら「反応するともっとやる。お母さんは痛いだろうけど、頑張って『無視』しなさい」と言われた。どんなに痛くても、涼しい顔をするほかないのだ。つらい。結果的に乳首から出血して傷ができ、授乳のたびに激痛が走ることになる。母は免疫力が低下しており、傷はすぐには治らない。この無限ループをどうしたらいいのか、悩みの種である。

 もう一つ、娘のときにはなかった悩みがある。つかまり立ちが上達してきた生後11カ月ぐらいから、いろんな場所に上りたがるようになった。テレビ台に上り、画面をベタベタたたいていたかと思えば、次の瞬間には横にある背の低い絵本棚に移っている。非常に危ない。

 食事中も、椅子からすり抜けてダイニングテーブルの上に立ち上がり、その次はキッチンカウンターに上がろうとする。下ろしてもまたすぐに上る。「上昇志向」が強すぎるのか。おかげで、ゆっくり食事できたためしがない。

 男児だからなのか、彼の個性なのか…。とにかく落ち着きなくあちこち動いて危ないことを試みている。探索は楽しいのだろうと想像はする。でも、そのせいで高いところから落下したり、すってんころりんひっくり返って頭を打ったり、負傷は絶えない。大きなけがにつながらないよう見守りつつ、本人の好きなようにさせるのがいいのか、それとも上れないよう工夫を施すべきか…。

 (文化生活部・増田枝里子)

     =毎週土曜掲載=

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