終章 不変・蛍鳴く時

   三 

 四月下旬になると、徳川軍の大坂侵攻は避けられない状勢になった。今日にも攻め手が押し寄せるかもしれない。敵情の監視のため、宗是は大坂城天守の最上階にま...