畑で収穫した野菜を使い、子どもたちとみそ汁を作る馬場美帆さん(左)=江津市後地町
畑で収穫した野菜を使い、子どもたちとみそ汁を作る馬場美帆さん(左)=江津市後地町

 江津市在住の元小学校教諭の女性が、住民と触れ合い人間力を磨く小学生向けサマースクール「とうもろこし」を開校した。地元の職人や農家、住職ら普段接点がない大人と、ものづくりや野菜の収穫を体験しながら交わり、地域を知り、生きる力を養う機会をつくり出す。

 女性は馬場美帆さん(30)=江津市都野津町。「時間を気にすることなく、子ども一人一人とじっくり向き合い、成長していく姿を見守りたい」と3月、8年間の教員生活を終え、独自に教育活動を始めた。

 8月26日まで1カ月間のスクールは月―金曜の午前9時から午後3時まで子どもを預かり、多様な体験を提供する。木工職人の手ほどきではしを削り出し、バーベキューを食べる▽農家の畑を訪れて野菜を収穫し調理▽お寺の住職に話を聞き座禅を体験|と、日替わりのメニューを計画する。

 馬場さんは「さまざまな人とつながることで、本には書かれていない本物の世界を知る。そこから自分で考え、気付きを得てほしい」と語る。

 高校生ボランティアと、流しそうめんに使う竹の筒を作った小学2年生、小林希実さん(7)は「いろんな人と協力して活動するのは楽しい」と目を輝かせた。

 スクール終了後に、小中高生ら幅広い年代を対象にした新たな教育の場づくりを構想する馬場さんは「住民と子どもをつなげ、地域で学び、地域から学ぶ環境をつくりたい」と意気込んだ。

 料金は1カ月2万円で、途中参加の場合は応相談。問い合わせは事務局、電話0855(52)5319。

      (福新大雄)