多大な被害をもたらした能登半島地震から1年。地域の再生は思うように進まず、人々の傷も癒えない。被災対応や地震メカニズムの解明など、取り組むべき課題について、識者が論じた。

 

 沿岸活断層図の作成急げ 広島大教授・後藤秀昭

 2024年1月の能登半島地震は半島北岸沖の海底活断層が起こした。地震が起きるまで、その存在を知っていたのは一部の人だけだった。国の縦割り行政と、海底活断層の新しい調査手法がなかなか受け入れられてこなかったためだ。これを繰り返さないため、総力を挙げて海域を含む活断層図を作り、防災対策の充実を図る必要がある。

 能登半島は海底活断層...