会合で発言するトランプ次期米大統領=9日、フロリダ州パームビーチ(AP=共同)
会合で発言するトランプ次期米大統領=9日、フロリダ州パームビーチ(AP=共同)

 入れるたびに、じわじわと上がってきたのを実感する。レギュラーガソリンの平均価格が1リットル180円を超えてきた。通勤途中に寄るいつもの格安スタンドは先週、割引を駆使して辛うじて170円台だった。それも時間の問題だろう。

 値上がりは高値を抑える政府の補助が段階的に縮小されているため。補助金は16日からもう一段減らされた。巨額の財政支出をいつまでも続けることは難しいと分かってはいても、車が欠かせない地方の生活にはやはりつらいものがある。

 消費者の負担軽減から言えば、ガソリン税の引き下げに期待したいところだが、どうなることか。自民、公明、国民民主の3党が、通常税率に上乗せされている暫定税率の廃止で合意したはいいものの、具体的な実施方法や時期については先送りされた。国と地方の税収減が絡み、協議はこの先すんなりとはいきそうにない。

 そうこうするうちにガソリン価格は下がってくるのか、それとも上昇を続けるのか。原油相場の先行きをより見えにくくしているのが、トランプ次期米大統領の登板だろう。エネルギー政策に石油や天然ガスの増産を掲げる。スローガンは「ドリル・ベイビー・ドリル(掘って掘って、掘りまくれ)」と、脱炭素などお構いなし。

 返り咲きとあって本人は気合満タンだろう。就任前からエンジンをふかし何かと騒がしい。世界を混乱に陥れる暴走は勘弁願いたい。(史)