ダンサーが認知症の人と踊る-。そう聞いてどんな光景を思い浮かべるだろう。苦労して振り付けを覚えさせることだろうか。レクリエーションの一種だろうか。それとも病気の進行予防に役立つ療法だろうか。

 ダンサーで振付家の砂連尾理(じゃれお・おさむ)(59)がやっていることは、そのどれでもない。もしかすると見る者にとって、ダンスですらないかもしれない。

 1月、マレーシア・ペナンのリゾートホテルで、老人介護施設の利用者とその家族を対象に「とつとつダンス」のワークショップが開...