雪が降る中を歩く人たち=19日午前、東京都港区
雪が降る中を歩く人たち=19日午前、東京都港区

 3月になっても雪が降っている。テレビはトップニュースで「都心でも雪」を取り上げる。首都圏1都3県に3700万人が暮らし、仕方がないと思う半面、もっと取り上げるべきことがあるだろうと思う。地方に暮らす人間のやっかみだろうか。

 四季が昔のように感じられない日本。季節外れの雪は地球温暖化も一因だろう。世界的に気候変動対策が不可欠な中、トランプ米大統領は国際枠組み「パリ協定」から再離脱を表明。利益と便利さを求める裏で共同性が失われていくことに不安を覚え、人と人とのつながりの大切さに気付く。

 今年も春本番がやってくる。昔流行(はや)った歌謡曲に<春はお別れの季節です 皆旅立っていくんです>という歌詞がある。卒業、就職、転居などで慣れ親しんだ環境に別れを告げることに不安で心が落ち着かない人もいるだろう。

 当方もそうだった。外勤記者職から東京の営業職に移った18年前。転職するのと同じくらい不安でしょうがなかった。乗り越えると違う自分がいると信じ、前を向いた。時がたち、知らない土地、経験のない仕事をしたからこそ今の自分があると思う。

 当時、先輩からもらった手紙は大事な宝物だ。寄せ書きの色紙をくれた仲間とは今でも付き合いがある。同じ時代に生まれ、出会えた縁。大事な人に手書きで思いを伝えてみませんか。きっとその言葉は心に届く。お金や商品券では伝わらない。(添)