ずっと自分の字にピンとこなかった。汚いわけではないが、きれいだとも思えない。永井玲子(43)は、その現実を突きつけられるたびに嫌な気持ちになった。才能がないと諦めていた。

 39歳の時、ペン字教室に通い始めた。急いで書く癖があり、以前の字には雑な印象が漂っていた。今は柔和な雰囲気を醸し出している。納得の得られる字を身に付けつつある。その過程で、何かにつけて卑下していた自分自身を認められるようになってきた。

 自ら講師となり今年2月、ペン字教室を始めた...