窯元の工房で温泉津焼を買い求める来場者=大田市温泉津町温泉津
窯元の工房で温泉津焼を買い求める来場者=大田市温泉津町温泉津

 300年以上の歴史がある温泉津焼を一堂に販売する恒例の「春のやきもの祭り」が19日、大田市温泉津町温泉津で始まり、伝統の登り窯で焼いた日用使いの器が大勢の来場者を楽しませている。20日も。

 温泉津やきものの里を主会場に、近隣の3窯元が各工房で皿やコップ、花器などを展示・販売。登り窯では約1千点が焼かれ、味わいのある色味や風合いが来場者を引きつけている。登り窯以外で焼いたものも多数並べている。

窯元の工房で温泉津焼を買い求める来場者=大田市温泉津町温泉津

 これまでに5、6回訪れているという札幌市の会社員五十嵐ジョセフさん(52)は「温泉津焼は素朴だけど飽きない良さがある。品ぞろえも素晴らしい」と話し、買い求めた。

窯元の工房で温泉津焼を買い求める来場者=大田市温泉津町温泉津

 温泉津焼は高温の焼成に耐えられる良質な土が取れるのを背景に、1700年ごろに発展。国内最大級の大きさを誇る15段の登り窯が保存されているほか、10段の登り窯は、今も3窯元が年2回のやきもの祭りに合わせて操業する。

(勝部浩文)

 

やきもの祭りに合わせて今も年2回操業する10段の登り窯=大田市温泉津町温泉津