日本軍「慰安婦」、南京大虐殺、朝鮮人強制動員、沖縄戦「集団自決」…。戦後80年となり生き証人が少なくなる中、「負の歴史」「加害の過去」を否定したり矮小(わいしょう)化したりする言説が増えている。共同通信の全国の記者が、歴史修正主義にあらがう各地の人々を追った連載企画「向き合う負の歴史」をお届けする。

   ×   ×

 「記憶 反省 そして友好」の文字が日本語、ハングル、英語で刻まれた碑は、20年間、日本の加害の歴史を伝えるシンボルとして存在していた。群馬県は2024年2月、この碑を撤去した。

 群馬県高崎市の広大な県立公園「群馬の森」の一角。太平洋戦争中に日本に動員され、命を落とした朝鮮人労働者を追悼する碑は、市民団体が毎年、追悼式を開き、歴史を伝える場でもあった。

 更地となっても、県内外から訪れる人や献花が絶えな...