【短歌】寺井 淳選

手をつなぎ父とスキップもらい風呂おぼろ月夜に影ふたつおどる  松 江 三島 春美

 【評】スキップしている映像が、二・三句目の七五調の、調子のよさとよく合っています。小さい頃の思い出のなかで、「もらい風呂」という言葉もゆかしいです。

リハビリでペンがにぎられひらがなにカタカナまじりいっ気に書きつぐ

                               雲 南 田部 益恵

 【評】短歌などの文芸は「紙とエンピツがあればできる」とよく言われ、その通りなのですが、こうして書けることの喜...