関西の学生団体「OLEA」は誕生日などの記念日に防災用品をプレゼントすることを推奨している。裏に携帯用トイレをしのばせたフォトフレームやソーラー式ライトといったデザイン性の高い品を紹介。こうした平常時と災害時の二つの局面で使えるサービスや考え方は「フェーズフリー」と呼ばれ注目されている。
思い出すのが石川県輪島市町野町の医師、大石賢斉さん(45)だ。滋賀県の総合病院で外科医として腕を振るっていた11年前、祖父が開いた町で唯一の診療所を継いだ。医療人として心がけるのは、誰もが生まれながらに備わった生きる力を引き出すこと。「不安」は最大の敵なのだという。
能登半島地震の現場でも変わらなかった。避難所では負の感情を誘発しかねない発熱者への感染症検査や血圧測定をあえて行わず、感染症の注意喚起のチラシもそっと外し、笑顔で「あなたは大丈夫」と声をかけ続けた。有事の備えには、医療資機材の備蓄より「あるもので何ができるか知恵や経験を蓄えておく方がずっと大事」と取材に答えてくれた。
近所の人とのつながりを持ち、過剰な不安や負の感情を持たないことは何より役立つフェーズフリーだろう。とはいえ備蓄も大事。フェーズフリー商品の市場は伸びており、贈り、贈られることで防災意識にもつながる。
きょう1月17日は阪神大震災から31年。節目の日、できることから始めたい。(衣)













