中国電力島根原発(松江市鹿島町片句)の30キロ圏人口は全国で3番目に多い約46万人に上る。多くの住民をどうやって円滑に避難させるのか。島根、鳥取両県と国が最善のシナリオと位置付けるのが「段階的避難」だ。

 原発に近い5キロ圏内の住民約1万人を放射性物質が放出される前に真っ先に逃がし、5~30キロ圏内の住民約45万人には必要に応じて自宅など建物の中にとどまる「屋内退避」を指示する。その後、放射線量の実測値が国の基準(毎時20マイクロシーベルト)を超えた場合、該当地域の住民に対して1週間以内に指定された避難先へ向かうよう求める。

 段階的避難は、国が2012年に原子力災害対策指針で示し、内閣府が主導する島根地域原子力防災協議会が7月末に...