月が変わり、きょう8月1日は「花火の日」だそうだ。終戦後、連合国軍総司令部(GHQ)によって禁止されていた花火の製造と販売が解禁され、東京の「両国川開き大花火」が再開されたのが77年前のきょうのこと。復興へ向かう庶民の生活に娯楽が戻ってきた記念日でもある。
一方で70年前のこの日、東京の花火問屋で大規模な爆発事故が発生。「花火の日」には、きれいな花火に潜む危険性をしっかり認識しようという戒めも込められている。
近年、花火大会では別の危険性も取り沙汰されている。猛暑による熱中症である。両国川開きの流れをくむ隅田川花火大会が先週末に開かれた。集まった観覧客は約93万人。夕方でも30度を超える中、大混雑の熱気も加わり、熱中症の疑いで緊急搬送される人が続出したという。
同様に東京で人気を集め、毎年7月下旬に開催されていた「足立の花火」は、熱中症や、台風など天候による中止のリスクを考慮し、今年から5月下旬に日程が変更された。猛暑が続けばこうした動きは加速しそうだ。1733(亨保18)年に両国川開きの起源となる花火が打ち上げられた5月28日も「花火の日」に制定されているものの、「花火=夏」の印象が強いだけに、何だか物足りない気がする。
山陰両県でも、あす始まる松江水郷祭をはじめ、各地で花火大会が相次ぐ。まずは熱中症対策を忘れず、真夏の花火を楽しみたい。(健)