安来市広瀬町布部の山林で起きた火災は7日、延焼の恐れがなくなる「鎮圧」状態になった。市消防本部は焼失面積を2・8ヘクタールと推定している。
同日朝から自衛隊などのヘリ2機が上空から状況を確認。煙が上がっていない状況を確認した。同日未明から朝にかけて、現地では強い雨が降っており、火の勢いが衰えた可能性が高いという。
市は鎮圧状態になったのを受け、市災害対策本部(本部長・田中武夫市長)を同日正午に廃止し、宇名手由子総務部長を本部長とする市警戒本部に移行した。同日午後0時半に県を通じて自衛隊に撤収を要請した。
(中山竜一)
道も水源もなく、消火難航
「心配」 3日かけて鎮圧
安来市広瀬町布部の山中で4日午後に発生が発覚した林野火災は、周辺に水源も道路もなく、消火作業は難航を極めた。自衛隊の力も借り、延焼の恐れがなくなった鎮圧状態に持ち込むまで3日かかった。

通報があったのは4日午後3時過ぎ。市消防本部や消防団が出動したものの、現場周辺に道路も水源もなく、ホースが延ばせず、状況を見守るしかなかった。
5日には早朝から鳥取、山口両県の消防防災ヘリが消火活動に入り、空から散水したが消すことができなかった。5日夕になって市の出動要請を受けた自衛隊が大型ヘリから6日にかけて計74回散水した。7日未明から朝にかけて雨が降ったこともあり、午前に鎮圧状態になった。
水口晶郎・市統括危機管理監兼防災課長は「市単独での対応には限界があり、早めに(県などに)協力を求める判断を行う必要性を痛感した」と述べた。
住民たちは3日間に及んだ山林での火災に不安な時間を過ごした。近くの金森満寿子さん(81)は「煙が家から見えて火が広がらないか心配だった。火の勢いが衰えてくれてほっとした」と話した。
(中山竜一、石飛達哉)