「八朔花祭り」に向けて花飾りの準備をする熱田神社敬神婦人会のメンバー=浜田市熱田町
「八朔花祭り」に向けて花飾りの準備をする熱田神社敬神婦人会のメンバー=浜田市熱田町

 防火を祈願する浜田市の伝統行事「八朔(はっさく)花祭り」が31日にあるのを前に、住民有志が家に持ち帰ると火難よけになるとされる花飾り作りに取り組んでいる。色鮮やかな造花と安全を願う文言の札を準備し、祭りを彩る。 

 祭りは長浜天満宮(長浜町)周辺であり、江戸時代から伝わる。家の玄関先などに造花を飾り付け、合図で一斉に持ち帰る伝統行事。祭りの由来は諸説あるが、火事が多かった地域で、住民が花をささげて防火や豊作を願ったとされる。

 高齢化で花を飾る住民が減り、近くの熱田神社敬神婦人会が2006年から花飾りに携わる。今年も会員15人でピンク色の約千個の造花を木の枝約130本に飾り、「火の用心」「家内安全」といった文言の札をくくりつけ、華やかに仕上げた。祭りの日は神社の参道などに設置し、祭りムードを盛り上げる。

 同婦人会の牛尾節子(さとこ)顧問(93)は「今年もきれいにできた。防火や健康を願って伝統を守りたい」と話した。(宮廻裕樹)