長かった夏休みが終わり、島根県内の多くの中学校で2学期が始まった。小学校は9月1日に始業式を迎えるところが多く、学校生活の再開が不安な児童生徒も増える時季。松江市内で「くらしま心の相談室」を開く臨床心理士・公認心理師の倉瀧美加さん(40)に、不安な子どもとの向き合い方や声がけのポイントを聞いた。
倉瀧さんはこれまで学校や医療・福祉現場でカウンセラーとして子どもと向き合い、この時季の子どもについて「環境の変化に戸惑う気持ちが強い」とみる。
大人が連休明けに憂鬱(ゆううつ)な気分になるのと同様、楽しかった夏休みが終わり、毎日学校へ通って勉強する生活に戻ること自体、子どもにとっては大きな変化となる。「嫌だな」という気持ちが生まれるのは当然で「悪いことじゃないよ」と伝えた上で「ある程度心の準備をしておくといい」と助言する。
特に小学校低学年の場合、散歩がてら通学路を親子で歩いてみたり、久しぶりに会う友達と話したい内容を具体的に考えてみたりすると、「漠然とした不安感」が少し減ることがある。しまっていた制服やランドセルを出して身に着けてみると、気持ちが切り替わることもあるという。
小学校中・高学年や中学生は、家族に不安な気持ちを言い出しづらい面があるかもしれない。腹痛など身体症状でサインを発信する場合があるので、大人は心配している気持ちを伝えるなどして受け止めよう。寄り添うことで子どもは安心し、打ち明けやすくなる。
倉瀧さんは学校を休むのか、行くのかの2択で考えるのではなく、集合場所まで大人と一緒に行くのも、登校した後に早退するのも「あり」とする。保健室や相談室など、校内の安心できる場所に行くことを考えるのも大切だ。
「その子を日常的によく見ている保護者の判断は正しい。自信を持って接してあげて」と力を込める。子どもと一緒に不安になるのではなく、どんと構えて受け止める方が良いという。
学校に行けなかったらどうしたらいいか。
1日休んだら「休み癖」がつくのではないかと心配する親は多いが、倉瀧さんによると、心理学的に癖がつくのにはもっと時間がかかるという。「2学期を無事に終える」など大きな目標を掲げれば、1日2日休んだ影響は小さく「子どもは少しずつ変容していけるので、可能性を信じてあげて」と呼びかける。
2学期は長丁場で持久力が必要な点を踏まえ、「いきなり頑張り過ぎるのではなく、少しずつ慣らしてペースをつかんでいけばいい。親子ともに無理せず始めてほしい」と話す。
(増田枝里子)














