隠岐の牛突き本場所の一つ、八朔牛突き大会が7日、島根県隠岐の島町上西の佐山牛突き場で開かれた。体重700~800キロの牛が真剣勝負でぶつかる横綱戦は、30分を超える熱戦の末、異例の引き分けで勝負を終えた。
同町那久の壇鏡神社である八朔祭の余興が発祥。過去2大会は同町都万の屋那牛突き場であり、佐山牛突き場の開催は3年ぶり。
幼さの残る体重300キロ、2歳の芝切戦から始まった。2頭は肩を並べたり、草をはんだりとほのぼのとした試合で、観客400人の笑いを誘った。
結びの一番で真剣勝負の横綱戦が組まれた。綱取りが「さぁ」「ほいさ」と、かけ声をかけて牛同士の取組が始まった。双方とも巧みな綱さばきで牛が呼応し、勝負を仕掛けて相手を後ずさりさせたが、いずれも踏ん張って闘志は失わず、膠着(こうちゃく)状態となった。
開始37分で、座元と寄方の審判役となる頭取の判断で引き分けとした。異例の判断だが、2028年の全国闘牛サミットが町内で開催されることが決まり、闘牛を温存したためとした。都万牛突き保存会の野津三男会長(72)は「全体的に牛が少なくなっており、若牛が多い。大事に突かせて育てなければならない」と話した。(鎌田剛)













