路地を歩きながら謎解きを楽しむ参加者=出雲市小伊津町
路地を歩きながら謎解きを楽しむ参加者=出雲市小伊津町

 斜面に連なる家屋が独特の風景をつくり出している出雲市小伊津町の魅力を知ってもらおうと、工学院大(東京都)の大学院生がこのほど、謎解きイベントを開き、約60人が頭をひねりつつ、密集した建物群の景色や集落の雰囲気を楽しんだ。

 企画したのは同大の冨永祥子教授の研究室で建築を学ぶ15人で、研究室は2018年から小伊津町の研究を行う。地元住民の協力を得て開催した。

 問題は道路上の標識や商店の壁に書かれた商品名、集落を見下ろす高台から見える家々の屋根の色など多彩。参加者は地図と問題文が記された冊子を手に、細い路地や長い階段を通って指定の場所に行き、謎を解いた。石州瓦工業組合の協力を得て、瓦タイルを使った子ども向けのワークショップも開いた。

 参加した松江市西津田4丁目の会社員藤本康行さん(27)は「知らなかった路地や階段を通った。頭を使いながら歩くことができた」と振り返り、同大大学院1年の小林ちひろさん(22)は「集落が迷路のようなところも小伊津地区の魅力。楽しんでもらえたようでうれしい」と話した。(黒沢悠太)