島根県邑南町日和の桜井太詔刀命(さくらいふとのりとのみこと)神社で、16日夜から17日朝にかけて大元神楽の奉納があった。日和大元神楽団の子どもや神職らが夜通しで27演目を舞い、住民は幅広い年代が熱演する神楽を堪能した。
神職らによる神事の後、6~10歳による子ども神楽の「国譲(くにゆずり)」で幕開けした。出雲国を巡って力比べをする神と神を勇壮に演じた。「弓八幡(ゆみやわた)」では、この日が初舞台の団員が、第六天悪魔王として迫力たっぷりに舞台を駆け巡り、客席から大歓声と惜しみない拍手が送られた。
深夜から明け方にかけて「鍾馗(しょうき)」や「八咫(やた)」などの演目が続き、17日午前6時ごろ、神職らがわらでできたヘビを神社のご神木に巻き付ける「神送り」で終演した。
伊達一樹団長(72)は「神楽は地域が元気になる源。地域に応援してもらえるよう、子どもたちと一緒になって継承していきたい」と話した。
(吉野仁士)