菅義偉首相の退陣意向表明を受け、河野太郎行政改革担当相(58)は3日、自民党総裁選に立候補する考えを周囲に伝えた。関係者が明らかにした。岸田文雄前政調会長(64)は立候補の意向に変わりないと言明。高市早苗前総務相(60)も重ねて出馬への意欲を示し、石破茂元幹事長(64)は含みを持たせた。野田聖子幹事長代行(61)も出馬をにらみ動き始めた。「ポスト菅」レースは3人以上の候補が対決する見通しが強まった。

 下村博文政調会長(67)は出馬の是非を検討するとした。小泉進次郎環境相、加藤勝信官房長官は不出馬の見通しだ。

 河野氏は3日午後、所属する麻生派会長の麻生太郎副総理兼財務相と財務省で会談。麻生派議員らに支援を要請した。記者団の取材に「今後どうするか、先輩や仲間の議員とじっくり相談する」と語った。来週前半に正式表明する方向だ。

 出馬記者会見を先週開いた岸田氏は記者団に「総裁選への思いは、出馬表明から今日までさまざまな場で訴えてきた。思いは変わらない」と強調。高市氏は国会内で「私の出馬の意思は変わらない」と明言した。

 2018年、昨年と総裁選に挑戦した石破氏は記者団に「白紙は変わりないが、選択肢が狭まったのは事実」と述べ、近く判断するとした。野田氏は推薦人確保ヘ調整を始めた。立候補断念を公言していた下村氏は「状況が変わった。仲間と相談したい」と語った。