自粛期間の終わり頃に行った公園にて。2人の成長を間近でゆっくり感じられた貴重な50日間だった
自粛期間の終わり頃に行った公園にて。2人の成長を間近でゆっくり感じられた貴重な50日間だった
自粛期間の終わり頃に行った公園にて。2人の成長を間近でゆっくり感じられた貴重な50日間だった

 自粛開始から1カ月が経過したある日、娘が突然言った。

 「ピーンポーンパーンポーン。こちらは、まちゅえしでしゅ。ふおーふきゅーの、がいしゅちゅを、ヒカエ、かんしぇんよぼーに、きょーろくを、おねがいしましゅ」…。

 驚いた。毎日正午、防災無線から聞こえる市からの放送を「完コピ」し、唱えていたのだ。ほかにも、お医者さんごっこをしていて「『ころな』で、セキがでてましゅね」と言ったり、大人のまねをしてマスクを着けたがったり。これが、コロナ禍を生きる子どもの姿か、と感心した。

 同時に、この子たちの未来を案じた。マスクを着けず、自由に外出できる日はいつ来るのだろう。

 自粛生活は、いいこともあった。生後8カ月になった息子はちょうど、お座りの状態からうつぶせへの「変形」ができるようになった時期で、何度も挑戦している姿を見られてうれしかった。両手をパチパチ合わせ、拍手のまねも上達した。本来ならもう保育所に入所していた時期で、こんな姿を間近では見られなかっただろうから。ある意味「ボーナスタイム」のような気持ちで過ごせた場面もあった。

 幼い子どもたちはこの「コロナ」の日々をどう感じているのだろうか。たくさんの経験をし、いろいろなことを吸収して成長していく貴重な乳幼児期。保育所の行事は規模が縮小され、低年齢の子どもは参加できないこともあった。今年しか見られない子どもの姿があったのかと想像すると、やるせなかった。

 自粛生活は約50日にも及んだ。長いな~と感じる時もあったが、いざ終わりが見えてくるとさみしさが募ってきた。またこれから、平日の大半を子どもたちと別々に過ごす日々に戻るのだ。特殊ではあったが、家で子どもたちと何の予定もなく、のんびりと(?)過ごせた、2020年春のことは、わが家で一生語り継がれると思う。

 (文化生活部・増田枝里子)

 =毎週土曜掲載=

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