第八章・寛永の危機(43)

 

「前田家に嫌疑がかけられている時に、鷹(たか)狩(が)りとは優雅なことだな」

 差し出された二羽のキジをにらみ、利常は鋭い皮肉を口にした。

「恐れながら、お伝えす...