独島バンダナの正しい着用方法をアピールするマネキン=韓国・鬱陵島
独島バンダナの正しい着用方法をアピールするマネキン=韓国・鬱陵島

 島根県隠岐の島町が、所属する竹島(韓国名・独島(トクト))に関連した土産品を開発した地元業者に、経費の2分の1(上限20万円)を補助する。竹島は韓国の実力支配で日本から直接訪問できない。それでも日本の領土として国民にしっかり認識してもらおうとの狙いがある。一方、韓国・鬱陵島(ウルルンド)からは観光遊覧船が出ており、「独島」をあしらったお土産店が並ぶ。活況ぶりは「人のふんどしで相撲を取る」ということわざを地で行くと言えなくないが、バリエーションは目を見張るばかりだ。

観光客でにぎわう道洞の目抜き通り=韓国・鬱陵島

 韓国・鬱陵郡の統計によると、鬱陵島には2020年に約17万6千人の観光客が訪れた。新型コロナウイルスの影響で、19年の約38万6千人から半減しているが、隠岐の島町の入り込み客延べ数の7万4156人と比べると倍以上。目玉は「独島観光」だ。

 韓国側は05年「独島」への民間人の渡航制限を緩和し、春から秋にかけ遊覧船で巡るツアーを実施。鬱陵島から竹島までの往復を高速船が4時間弱で走る。韓国・聯合ニュースによると20年に「独島」へ行った観光客は8万9374人だった。

 「独島観光」には土産が付きものだ。鬱陵島の目抜き通りがある道洞(トドン)港や独島博物館、独島展望台(実際に島は見えない)の周辺には多くの土産物店が軒を連ねる。鬱陵島の周辺で採れた海産物でさえ「独島サザエ」といった名称で販売されている。

独島展望台の売店でもTシャツが主力だ=韓国・鬱陵島
 

 

写真を拡大 韓国・鬱陵島の「独島土産」で人気のTシャツとバンダナ(左下)

 「独島」の写真やイラストをデザインしたTシャツは、日本円にすると千円程度と安価で、かさばらないため人気があるようだ。特に子ども用のサイズが店の軒先で販売される。

独島バンダナの正しい着用方法をアピールするマネキン=韓国・鬱陵島

 地形図をイラストにしたバンダナや、ハンカチもある。こうした「独島系ファッション」は観光地に来た高揚感で思わず購入したくなる雰囲気が漂う。韓国では「独島観光」が聖地巡礼のような善行とみなされるようだ。だから普通に街中で着ても、さまにはなるかもしれない。

 鬱陵島内では何でも「独島」の看板が付く。「独島旅館」や「独島食堂」「独島釣り具」など。土産物だけでなく、文房具や携帯電話のストラップにも。消しゴムには「韓半島の朝が来る独島」と記載がある。

寄付金付きの「独島消しゴム」

 振り返って、竹島がある隠岐の島町でお土産市場は活性化するだろうか。今は町内で「竹島カレー」や竹島を含む隠岐諸島をデザインしたおちょこなどがあるのみだ。町は開発費の助成制度を7月下旬に始めた。町竹島対策室によると、数件の問い合わせがあったというが16日現在、申請はまだないという。

島根県隠岐諸島と竹島の位置関係が分かる酒器。上から時計回りにタンブラー、杯、おちょこ
竹島カレー

 「独島」のグッズが日用品でも売れる韓国と、ご当地の隠岐にも土産物が少ない日本。これを領土への意識の差というのは言い過ぎだろうか。