低迷する投票率と、最大勢力並みになった「支持政党なし」の無党派層。ここ四半世紀の国政選挙で続く現象だ。これでは、国民の「政治離れ」が指摘されてもやむを得まい。衆議院総選挙があす公示され、31日に投開票される。今回は、そんな状況を脱する機会になるかどうか▼国政選挙の投票率が顕著に下がったのは1996年の衆院選で小選挙区比例代表並立制が導入されてから。この間に衆院選と参院選が8回ずつ計16回行われたが、全国の投票率(選挙区)が60%を超えたのは衆院選で3度あるだけ。「神の国解散」(2000年)と「郵政解散」(05年)、それに政権交代が起きた09年だ▼こうした状況について作家の村上龍さんは著書『無趣味のすすめ』の中で<選挙結果によって、自分たちの暮らしや、国家のシステムが劇的に変わった経験を持っていないのが最大の理由>と指摘していた。なるほどと思う。12年前の政権交代も「成功体験」どころか、期待外れに終わった▼おまけに小選挙区制になったことで、中選挙区の時代に比べ選択肢が狭まった。金のかからない選挙制度は立候補する側には好都合だが、主権者である国民の投票率が下がる結果を招いているとすれば見直しも必要だ▼多様性の尊重が求められる今と四半世紀前では、社会状況は変わっている。金のかからない選挙こそ、ネットの活用などデジタル化の出番ではないか。(己)