比例中国ブロックの候補者の演説を聞く有権者=23日、松江市内
比例中国ブロックの候補者の演説を聞く有権者=23日、松江市内
比例中国ブロックの候補者の演説を聞く有権者=23日、松江市内

 衆院選の比例中国ブロック(定数11)の議席獲得を巡り、山陰両県の各党がしのぎを削る。中国地方で初めて小選挙区に候補を擁立した公明党は、選挙区当選と、比例2議席の死守が至上命令。連立を組む自民党を選挙区で応援する代わりに比例で支援を受ける「バーター」への期待は、前回選以上に大きい。小選挙区の立候補者が名簿1位で並ぶ立憲民主党は、野党合流で候補が増えたため、小選挙区で敗れた場合は惜敗率争いが激化する。共産党は前回失った1議席の奪還を目指す。 (取材班)

▼30年ぶり代替わり
 公明は前回選で47万6千票を獲得し当選した2候補が、1人は広島3区へくら替え、もう1人は政界を引退した。比例に擁立した3候補は新人で、いずれも知名度が低い。

 このため、バーターを展開する自民との協力強化に向け、公明鳥取県本部は自民鳥取県連に持ち掛け、9月に初めて政策協定を結んだ。公明県本部の銀杏泰利代表は「これまで以上に強力な選挙協力のバックボーン(背骨)になりうるものだ」と狙いを語る。

 公明前職で引退した桝屋敬悟氏(70)も、なりふり構わず動く。鳥取2区の自民陣営が22日に境港市で開いた集会では、比例2候補を連れて登場。23日には松江、出雲、大田などで桝屋氏ら公明の3人が街頭に立ち、自民県議らもマイクを握って支援を呼び掛けた。

 公明島根県本部の吉野和彦幹事長は「30年ぶりの候補の代替わりで、応援の動機づけがなくなる人もいる。3人で来るこの態勢が厳しさの表れだ」と話す。

▼復活ハードル高い
 立民は、前回選で得た旧立民の2議席に、旧希望の党を合わせた計4議席の確保が、共同通信社が23~26日に実施した調査で困難な情勢との見方が出た。

 前回選で島根1区の前職が比例復活した際、旧立民の重複立候補者は3人だったが、今回は比例名簿1位に16人が並ぶ。立民両県連幹部は「比例復活のハードルは高い」との認識で、小選挙区での追い上げに懸命だ。

 獲得議席数を一つでも伸ばしたい立民鳥取県連の坂野経三郎幹事長は、自民支持層から3割、無党派層から6割の得票が必要とみて、知人への電話作戦などで切り崩しを図る。ただ、候補を擁立できなかった鳥取1区でのアピール不足は否めず、支持母体の連合鳥取の田中穂事務局長は「立候補者がいないことで、投票に行く足が鈍ることは否定できない」と懸念する。

▼目標は前回選の倍
 1議席奪還を目指す共産の目標は、前回選の得票数の倍以上となる島根5万7千票、鳥取3万8千票。

 情勢が厳しいとして、27日には候補を立てていない島根1区の松江市内で緊急決起集会を開いた。共産島根県委員会の上代善雄委員長は1議席獲得の可能性について「大激戦で当落線上にある」と気を引き締めた。