誰の入れ知恵かは分からないが、岸田文雄首相の「奇襲作戦」は「吉」と出るか、「凶」と出るか。コロナ時代の日本の進路を左右する第49回衆議院総選挙が投開票日を迎えた。戦後初めての「ハロウィーン総選挙」で、解散から投票まで17日間というのも戦後最短になる▼戦後の衆院選を振り返ると、解散から投票までが40日間と一番長かった2009年は、記憶に新しい政権交代が起きた。その後、第2次安倍晋三政権になってからの14年選挙は23日間、前回17年は24日間で、いずれも自民、公明の与党で300議席以上を獲得した▼コロナの感染状況が落ち着いていて、新内閣への「ご祝儀」が期待できるうちにという考えに加え、こうした経験値もあったのかもしれない。ただ、もう少し過去にさかのぼると、逆のケースもある▼田中角栄元首相への判決が出た直後にあった1983年の総選挙は、これまで最も短かった20日間。この時は自民党は大敗。次いで23日間と短かった小選挙区制導入時の96年と、「神の国」解散の2000年も、自民党は単独過半数に届かなかった▼新政権にとって「短期決戦」が有利に働くのかどうか。そして「奇襲作戦」が功を奏すかどうかを決めるのは、主権者である私たち一人一人の1票だ。それを忘れずに投票所に足を運ぼう。今の政治に何を求めるにせよ、投票に参加しなければ、その声は届かない。(己)