浜田歴史資料館整備のため増築する市世界こども美術館北側の市有地(資料)
浜田歴史資料館整備のため増築する市世界こども美術館北側の市有地(資料)

 浜田市が計画している浜田歴史資料館(仮称)について、建設に反対する意見が9月下旬から10月半ばにかけて約110件寄せられたことが、1日夜あった市の総合計画審議会で明らかになった。資料館整備は2022年度から4年間の総合振興計画に盛り込まれているが、審議会はいま一度市民の声を聴く機会を設けるよう求める。

 市が9月に計画原案への意見を市民に求めたところ119人が182件を寄せた。このうち110件が資料館について言及。全て否定的な意見だったという。

 財政負担の懸念や、政策の優先順位に関する意見があり、具体的には「建設だけでなく維持管理にも多額の費用がかかる」「コロナ対策や子育て支援に(お金を)使ってほしい」との指摘があった。

 意見を受け、10日に市長への答申を予定する審議会会長の林秀司・島根県立大地域政策学部長は、浜田市内であった審議会会合の席上で「多数の意見を無視できない」とし、「事業の実施に当たっては、あらためて市民の意見を聞く機会を設ける」との付帯意見を付けることを提案。合意を得た。

 市は「識者らでつくる検討会の大半が整備の方向性に賛同している」との認識で、今後、何らかの形で市民へ説明し、意見を聞く機会を設ける考え。 (勝部浩文)