北欧フィンランドから先日、2年半ぶりに帰国した4歳前の孫娘がカルチャーショックを受けているという。見るもの聞くもの、育った環境とは違うからだ。2年間通った向こうの保育園に慣れていたせいもある。まだ会えていないが、しばらくは「リハビリ期間」になりそうだ▼娘の話によると、孫娘がまず不思議に感じたのは、周りにいるのが自分たちと似たような人たちばかりになった点。髪の色や目の色、顔つきなどだ。日本では、見掛ける人たちのほとんどが日本人なのは当たり前。それが戸惑いにつながるとは思いもしなかった▼もう一つは言語。向こうの保育園は、基本はフィンランド語。友達と遊ぶときも同じ。英語は日常生活で通じる人や場所もあるが、日本語は両親にしか通じない。このため3カ国語が入り交じる環境の中で、孫娘にとって日本語の順位は1番ではなくなったようだ▼両親とも日本人なのに日本語がいまひとつの孫娘。「爺(じじ)ばか」と笑われそうだが、5歳で英国に渡ったノーベル賞作家カズオ・イシグロさんの生い立ちと比べてしまった。それでも今は、見た目の変化が刺激になって日本語を覚えようと懸命らしい▼地方に住んでいると実感は薄いが、世界には、いろいろな人種が行き交い、複数の言語が交じる国も少なくない。孫娘が大人になる頃には、人種や言葉の垣根も、高さが変わっているかもしれない。(己)