秘密・親密・厳密を嫌う〝ノー密〟世代―。「おひとりさま」や「草食系」の新語を世に送り出したマーケティングライターの牛窪恵さんは、今どきの若者をこう名付けて表現する▼コミュニティー内では情報を開示し、ゆるくつながり、もやっとした関係性を求める傾向があるそうだ。著書『若者たちのニューノーマル』に詳しい▼そんな若者とつながり、企業の魅力を知ってもらうにはどうすればいいのだろうか。会社説明会が解禁され、山陰の企業でも採用活動が始まっている。牛窪さんによると「好きを仕事に」は今は昔で、「いつか好きなことを副業に」と考える学生が多いらしい。そういえば先日の紙面に、県外大手グループが入社時点から副業を認める制度を新たに導入するとあった▼新卒採用は世相を映す鏡のよう。説明会や面接のウェブ活用はもはや当たり前。女性や性的少数者(LGBT)が応募しやすいよう履歴書に性別の記入や顔写真の貼付を求めない企業も増えているのだとか。コロナ禍で採用中止や採用数の縮小が相次ぎ、就活を始めた学生からすれば不安や焦りは多かろう▼気になるのは、都会離れや地元志向の大きな流れにつながるかどうか。コロナ初年度で風向きの変化を感じ取った地元企業に、2年目の期待は高まっている。密嫌いの世代に伝わってほしい。「3密」の少ない山陰で〝濃密〟な仕事と暮らしはいかが。(史)