つい1カ月前まで『日本沈没』の危機に立ち向かっていたと思ったら、同じ日曜夜のテレビドラマでも、今度は鎌倉幕府を支える武士に。主演の小栗旬さんは大忙しだ▼役柄に共通するのは状況分析力と突破力の高さだろう。小松左京さんの同名小説をベースにした『日本沈没』では、環境省の官僚として異端の地震学者の学説を信じ、新聞社にリークしてまで国民に沈没の危機を伝えた▼先週始まったNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では北条義時役。父の時政、姉の政子とともに源氏を助けながら鎌倉幕府の屋台骨を築き、源頼朝亡き後に幕府の実権を握る。後鳥羽上皇が隠岐へ配流されたのも、義時を討伐する兵を挙げたためだった▼初回は、父や兄・宗時の身勝手な行動に翻弄(ほんろう)される義時の様子がコミカルに描かれていた。人気脚本家の三谷幸喜さんが今後、激動の中で常に「勝ち馬」を見定めた眼力や、暴走した父を追放するほどの非情さなど、史料の少ない義時をどう表現していくのか楽しみだ▼ちなみにタイトルの『鎌倉殿の13人』は、鎌倉幕府の政を合議制で決めていた13人の御家人(家臣)のことを指す。現代に当てはめれば、岸田文雄内閣における21人の閣僚といったところか。年をまたいで感染者が急増したオミクロン株による新たなコロナ危機をどうやって乗り切るのか。〝岸田殿の21人〟にも状況分析力と突破力が欠かせない。(健)