クレストゲートが開き放水する尾原ダム=5日午前、雲南市木次町平田
クレストゲートが開き放水する尾原ダム=5日午前、雲南市木次町平田

 【雲南・奥出雲】雲南市木次町と島根県奥出雲町にまたがる尾原ダムで5日、ダムを管理する国土交通省出雲河川事務所が非常用水門「クレストゲート」のゲートを開き、水を斐伊川へ放流した。新型コロナウイルス禍のため見学会は中止となったが、迫力ある放水の様子がインターネットで中継された。

 

 貯水能力を超えた際に開くクレストゲートは幅11・5メートル、高さ14メートル。ダム最上部に2カ所ある。放流は動作点検が目的で、水不足や洪水の影響が少ない3月に行っている。

 放水開始を告げるサイレンが鳴り終わると、ゆっくりとゲートが開き、流れ落ちた水はごう音としぶきを上げながら、下流へ流れていった。

 中継を企画したNPO法人「さくらおろち」の亀山一敏理事長(68)は「ゲートから流れる水の音が地域に春を告げる合図となるよう、イベントを続けていく」と話した。 (狩野樹理)