任期満了に伴う江津市長選に、いずれも無所属新人で、元国会議員秘書の中村中氏(43)と、元島根県議の山本誉氏(64)が立候補した。両候補に市政課題に関する6項目のアンケートを実施し、250字以内で回答してもらった。まずは「人口減対策」「財政運営」「江の川治水」についての考えを紹介する。

 

中村中氏〈無新、43歳〉

■人口減対策

 少子高齢化での自然減は致し方ないが、社会増を達成するなど、これまでの江津市の人口減対策は一定の効果があった。働く場の確保のため、さらなる企業誘致を先頭に立って取り組む。意欲ある若者が自己実現の場として江津市を選んでくれており、引き続き起業し挑戦する人を後押しする。子育て世代支援のため、現在実施している中学生までの医療費負担軽減を高校生まで範囲を広げ、多子世帯へは第3子以降の子育てにかかる経済的負担を軽くしたい。子どもから高齢者までが交流する地域コミュニティーの活性化も重要な視点だ。

■財政運営

 県内で下位だった厳しい財政状況が、現在は中位のところまで再建されてきた。財政危機を脱し、ようやく未来への投資ができる状況になった。市の貯蓄である基金も増えたが、近年頻発する災害への早急な対応にはこの基金が必要で、今後も一定の水準を維持したい。懸案の大型事業のうち、市西部統合小学校は子どもの安心安全の観点から最優先で取り組む。老朽化した図書館や空き家状態の旧市庁舎への対応は、将来を見据えた安定的な財政運営の観点から一度に解決できないが、市民の意見を聞きながら優先順位をつけ、取り組んでいきたい。

■江の川治水

 江津市をはじめ近隣市町からの強い働きかけの結果、中下流部の治水対策として10年間で250億円の重点投資が決まった。市には日本初の流域治水推進室が設置された。マスタープラン(基本計画)も策定されたが、十分な対策には投資額がまだ不足している。将来世代まで住み続けられ、まちづくりと一体の河川整備が基本だ。住居移転の問題は、一番身近な行政機関として市が住民の声を聞き、まちづくりの視点を取り入れて進める。国、県、近隣市町との連携が不可欠で、秘書経験を生かし投資額の増額を含めてスピード感をもって取り組む。

 

山本誉氏〈無新、64歳〉

■人口減対策

 人口減少は極めて深刻。この問題に対応した持続可能な市政運営を考えることが必要だ。定住や移住を促す子育てや教育への積極的な支援はもちろん、市が目指すコンパクトなまちづくりを前提としながら、将来の人口動向を見極めて、計画的な居住環境の整備を進めたい。老朽化した空き家は、解体促進に加え、畑や土地をパッケージにした提供も推進したい。地方で暮らし続けられる施策が必要で、その一つが農業を基本にしたオーガニックタウン構想だ。食を通して健康や教育、定住へつなげたい。人口問題に対してあらゆる手だてを講ずる。

■財政運営

 民間投資を誘発する経済波及効果の高い公共投資は積極的に行うべきだ。選択と集中で、市民が効果を実感できる支出を行う。要望が最も強い公共施設が図書館。本に触れるのは教育の原点であり、必ず解決させる。旧市庁舎は重要な歴史的建築物だと認識しており、保存活用を求める声も大きい。幅広く市民の意見を聞き、再利用の可能性を探りたい。市西部統合小学校は当初の計画から10年以上が経過し、統合そのものの是非を問う声も聞く。市全体の学校再編計画を再検討し、最優先で西部地区の小学校の在り方を決め事業を実施するべきだ。

■江の川治水

 置き去りにされてきたような江の川下流域の治水事業だが、10年間で250億円とされる国の投資を確実なものとできるよう、市として最大限の協力が必要だ。巨額投資で流域の安全性が高まっても、人口流出などで地域が疲弊してはいけない。まちづくりの視点を持った治水事業を考えることも大事。国道261号の改良促進や集団移転などでの集落再編の取り組みも検討し、住民の安全性と利便性を高める。桜江地域の持続可能なまちづくりにも寄与できる治水事業として進める必要がある。国、県、市の役割を明確にし、協働体制を構築する。