先日、JR松江駅構内で見かけた光景。客待ちのタクシーの中で運転手さんがうまそうにたばこを吸っていた。非喫煙者からすると卒倒しそうだった。たばこの煙が充満した車にお金を払って乗るなんて▼以前は新聞社内での喫煙は自由で、デスク時代は記者の原稿を手直しするワークステーション操作も、くわえたばこでしていた。編集局内にはたばこの煙がたなびき、約20メートル向こうがかすんでよく見えないほどだった。たばこを吸わない人がよく我慢していたと思う▼禁煙して19年になる。1箱250円だったセブンスターが280円になったのがきっかけだった。一番吸っていた時代は1日3箱を消費していた。セブンスターは現在1箱600円。高値に驚くが、諸外国では1箱千円以上だという▼禁煙して気付いたのがたばこの煙の臭いだ。吸った直後の人と話すと、息の臭さに閉口する。酒場でたばこを吸う人が室内にいると、帰宅後にシャツを脱ぐ際、たばこの臭いが染みついていて驚く。受動喫煙も含め、たばこは健康によくない。だが、千円になってもやめない、という強者もいる▼5月31日は「世界禁煙デー」だったが、たばこの話はあまり聞かなかった。健康に害があると言われながら、男性の27%、女性の7・6%が喫煙者だ。禁煙すれば食事もおいしく、寝覚めもいい。経験上「確実だ」と言える。ぜひチャレンジしてほしい。(富)