作品を説明する井田勝己さん=米子市角盤町1丁目、JU米子高島屋
作品を説明する井田勝己さん=米子市角盤町1丁目、JU米子高島屋

 【米子】米子市を「彫刻のあるまち」にしようと尽力した彫刻家・井田勝己さん(65)=鳥取県日吉津村日吉津=の東京造形大退官記念展が8日、同市角盤町1丁目のJU米子高島屋で始まった。彫刻やデッサンなど23点が来場者の注目を集めている。13日まで、入場無料。

 井田さんは1988年に市内で始まった彫刻シンポジウムの発案者の一人。国内外から招かれた彫刻家が市民と交流しながら野外で作品をつくる。2006年の第10回を最後に休止しているが、市内には約40点の作品が生まれた。待ち合わせの目印などとして多くの市民に親しまれている。

 3月に東京造形大教授を退官した井田さんは地元・日吉津に戻った。退官後、県内での個展は初めて。米国ニューメキシコ州の岩山「エル・モロ」をオニキスで表現した作品やインド砂岩で作った日時計、教え子や同僚の教員を描いたデッサンが並ぶ。

 井田さんは「彫刻シンポなどでお世話になった米子で開催できてうれしい。恩返しのための個展。作品を見て生まれた感情を大切にしてほしい」と話した。

  (坂本彩子)