山陰では毎年、被害の大小はあれども、どこかで豪雨災害に遭っている。雨の降り方も昔とは違い、短時間に大量が当たり前になった。「過去の教訓に学ぶ」いとまもないほどだ。それでも、なお特別といってもいいのが、ちょうど半世紀前の「1972(昭和47)年7月豪雨」、俗に言う「47水害」だ。気象庁によると全国的には死者、行方不明者は計447人。島根の死者25人は、熊本、愛知、高知、広島に次いで5番目に多かった。

 国土交通省中国地方整備局のアーカイブによると、宍道湖周辺の浸水域は70平方㌔㍍。湖の面積が79平方㌔㍍だから、実に湖面が2倍に広がったといってもいい状況になった。

 当時の写真を見ると、家屋を丸ごと...