3度目の合区となった鳥取・島根合区選挙区(改選数1)には、5人が立候補を届け出た。共産党、立憲民主党の新人2人と、自民党現職による事実上の三つどもえの構図になっている。家計を直撃する物価高騰への対策をはじめ、東京一極集中の是正、憲法改正の是非などを争点に各候補が初日から舌戦を繰り広げた。

 鳥取・島根合区選挙区は、届け出順に、NHK党新人の黒瀬信明氏(37)、共産党新人の福住英行氏(46)、立憲民主党新人の村上泰二朗氏(34)、政治団体・参政党新人の前田敬孝氏(60)、自民党現職の青木一彦氏(61)=2期、公明党推薦=が立候補した。

 山陰両県で厚い地盤を誇る自民は連立政権を組む公明の推薦を受け、議席維持を目指す。野党候補を一本化せず、それぞれ独自候補を立てた立民、共産がどこまで迫るかが焦点。

 福住候補は、鳥取市東品治町のJR鳥取駅前で第一声を行い、共産党所属の県議ら約80人が詰めかけた。自民内での憲法9条改正や敵基地攻撃能力保有の議論をやり玉に挙げ「際限のない軍拡競争に陥り、平和も暮らしも壊す」と批判。中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)の再稼働に対しても「災害、地震大国の日本に原発はいらない。原発ゼロが国民の思いだ」と声を張り上げた。

 村上候補は、松江市伊勢宮町の宍道湖遊覧船乗船場前に、推薦する連合島根の幹部や、支援する国民民主党島根県連の県議ら約80人を集めた。物価高騰に対する岸田政権の対応について「一人一人の生活を守る政治が行われていない」と指摘し、消費税の減税や賃上げの必要性を訴えた。「子育てや教育政策に力を入れ、人口減少を克服することが山陰の生きる道だ」と持論を展開した。

 青木候補は、松江市殿町の島根県庁前で約800人を前に第一声。歯止めのかからない地方の人口減少問題に対し「度が過ぎた一極集中を是正し、竹下登、亘先生から引き継いだ『ふるさと創生』を同時に成し遂げなければならない」と強調した。国土交通副大臣を務めた実績に触れ「防災、減災、国土強靱化(きょうじんか)の取り組みを進め、安心、安全な県土をしっかり整える」と誓った。

 黒瀬候補は、立候補を届け出た後、松江市灘町のNHK松江放送局前で演説。視聴する人だけが受信料を払うNHKのスクランブル放送化の実現を訴えた。

 前田候補は、米子市末広町の米子市文化ホール前で約30人を前に第一声を行い、食料安全保障の重要性を訴え、JRを使い鳥取県中部・東部で演説した。

 21日現在の選挙人名簿登録者数は、102万2043人(男48万5684人、女53万6359人)。県別では、島根県が55万7988人(男26万5597人、女29万2391人)。鳥取県が46万4055人(男22万87人、女24万3968人)となっている。 (取材班)

 

▽鳥取・島根合区選挙区立候補者

((1)-5)<届け出順>

黒瀬 信明37 党職員      N新

福住 英行46 党鳥取県委常任委 共新

村上泰二朗34 元鳥取県職員   立新

前田 敬孝60 元琴浦町議    諸新

青木 一彦61 元国土交通副大臣 自現(2)

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 表の見方 名前(敬称略)に続き、年齢、肩書、所属党派、現職、新人の別。党派の自は自民党、立は立憲民主党、共は共産党、NはNHK党、諸は諸派。カッコ内数字は当選回数。