試合開始前のあいさつを終え、ベンチに戻る江津・浜田水産合同チームの選手たち=13日、松江市営野球場
試合開始前のあいさつを終え、ベンチに戻る江津・浜田水産合同チームの選手たち=13日、松江市営野球場
試合を見つめる保護者たち。スタンドには江津、浜田水産両校の横断幕が並んでいた=13日、松江市営野球場
試合を見つめる保護者たち。スタンドには江津、浜田水産両校の横断幕が並んでいた=13日、松江市営野球場
試合開始前のあいさつを終え、ベンチに戻る江津・浜田水産合同チームの選手たち=13日、松江市営野球場
試合を見つめる保護者たち。スタンドには江津、浜田水産両校の横断幕が並んでいた=13日、松江市営野球場

 おととい観戦した全国高校野球選手権島根大会の開幕戦で珍しい光景を目にした。二回表裏の攻撃前に江津と開星の校歌の音声が松江市営野球場に流れた。すると、いつもは流れない三回表に浜田水産の校歌が…▼部員不足の江津と浜田水産が合同チームで出場したための措置。自チームのユニホームでプレーした両校の選手や、応援に駆け付けた保護者はうれしかっただろう。結果は0-7の八回コールドで敗れたが、強豪の開星相手に好プレーを連発した▼こうした珍しい光景は実はあまり珍しくないようだ。鳥取大会では境港総合技術と米子、倉吉西と日野が合同チームで出場。高知大会1回戦では3校合同と4校合同の対戦もあった。グラウンドでは7校のユニホームが躍動し、まるでプロ野球のオールスター戦のようだ▼少子化とともに、野球人口の減少が要因。サッカー人気にも押されており、2005年に4253だった日本高野連の加盟校数は3857まで落ち込んだ▼それでも明るい兆しはある。ランドセル素材の人工皮革を製造販売するクラレ(東京)が、今春小学校を卒業した子どもに「将来就きたい職業」を聞いたところ、昨年は21・2ポイントあったサッカー選手と野球選手の差が、7・6ポイントに縮まったという。投打の二刀流・大谷翔平選手の活躍が影響しているのだろう。高校野球の珍しい光景が日常になってしまっては、さみしい。(健)